設立趣意書
食器、とりわけ陶磁器製食器は私たちの暮らしに欠くことのできない生活用品です。でも、現在では、割れてしまったり、不用になってしまえば、ごみとして処分するもののひとつでもあります。
全国の一般廃棄物の最終処分場の平均残余年数は10数年といわれています。この処分場を少しでも長持ちさせるためには、私たちの家庭から出るごみを減量し、埋め立て量を減らしていかなくてはなりません。
そこで、私たちは、陶磁器製食器に注目しました。不用になったものを回収して原料の一部に使っていくのはもちろんのこと、できたリサイクル粘土やリサイクル食器を使っていく工夫。食器として不用になったものを別の用途に使いまわしていく提案。陶磁器の知識を学びながら、長く使える飽きのこない食器の選び方を習得するなど、陶磁器製食器を切り口に、エコロジカルなライフスタイルを創り出し、広めていくことがとても重要であることに気がつきました。
また、陶磁器製食器は長い歴史の中で、芸術や文化として培われてきたものであり、食べ物とも深い関係を持っています。一方、私たちの暮らしを彩る生活雑貨として、気軽に使えるアイテムのひとつでもあります。こうした伝統と日常という二面性を持ち、割れてしまうからこそいとおしい陶磁器製食器を多用途に生かし、さまざまな立場の人たちが連携を図りながら環境配慮型の生活様式の定着を目指すためには、情報の集約や発信をしていく拠点が必要です。
そこで、全国で活動している個人や団体をゆるやかにつないでいく組織として、食器リサイクル全国ネットワークの設立を宣言します。
2005年8月27日
食器リサイクル全国ネットワーク設立総会出席者一同